2013年09月13日
慢性疲労性症候群

当初、ぎっくり腰で来られた患者さん。
10年ほど前から慢性疲労性症候群を患っておられるとのこと。
症状は年々ひどくなってきていて、数年前に会社も退職されたとのこと。
眠い、頭重感、首肩のこり、だるい、微熱が続く、などなどあるが、全身の痛みがきつく、日によって波がありきついときは一日中何も手につかず、ただ痛みに耐えている、という状態とのこと。
専門医にかかっているが、これ以上悪くなるともう回復は難しくなると言われている、とのこと。
この病気。
名前は聞いたことがあったのですが、詳しいことは何も知らず、患者さんに説明していただいた後、自分で調べまして、原因不明のなかなか大変な病気だと知りました。
しかし、腰痛治療で二回ほど来ていただいたときの感想として、
(こういう体はよく見てるかも。治療して効果があるかもしれない)
と思いましたのでそのままお伝えし、患者さんも効果を感じていたとのことで継続して今診させていただいています。
一番初めに体を診たときの印象としましては、
・重い、気の流れ(呼吸の波)がとってもゆっくり
・頭は熱っぽく足は冷たく足部がむくんでいる
・背骨の横の筋緊張がかなり。特に胸椎。うつぶせに寝てもらって棘突起が触れられない(背骨)
・身体各部のつながりが薄く、それぞればらばらな感じ。背骨も一つ一つが別方向を向いているような。
・こちらのアプローチに対しての反応が早く、体がみるみる変化する(良くなる、という意味ではなく)。局所ではなく中枢を意識してみた方がいいかも。
というようなものでした。
特に体が重く泥っぽい、といいますか、呼吸の波の全身への伝わりが非常にゆっくりなのが印象的でした。
うつの人に似ているな、という印象がありまして、後で考えてみると、
脳の疲れがきつい人はそのような体の印象になるのかもしれないな、と思いました。
患者さんも日々長時間の体の痛み知覚により脳が疲れていると思いましたし。
治療としては、ともかく背骨の動きをよくしていきたい、ということ。それをメインにして、後身体各部のつながりを取り戻す、ということ。
抗炎症(熱っぽいので)プラス免疫力強化の意味で足の太白をとりお腹をゆるめ、温かくする、というのもプラス。
数回させていただいたのち、奇経療法の本で、繊維筋痛症(慢性疲労性症候群と似ている)の方の治療に後けいと申脈のペア(起立筋と背骨のバランス、体の裏側のバランスを整える組み合わせ)が効果があるとの記述を発見し、そのツボへのお灸もプラスすることにしました。
これまで全7回ほどの治療。
背骨もだんだん触れられるようになってきて、つながりも(背骨も含め身体各部)でてきました。
胸腰移行部があと残っている、という印象。
これがとれると、呼吸も大きく変わるだろうし、いいだろうな、と。
足が軽くなってきてつながりが出てきたな、と思います。
患者さん曰く
辛かった体の痛みがだんだんでなくなってきた。疲れてもだるくしんどくなり、眠たくはなるが、体の痛みはずいぶん楽
とのこと。
どんどんと落ち込むように症状がきつくなってきて、ちょうどこれ以上いくとやばい、というところで、ふんばりが出てきたのかもしれません。
このまま落ちないように、落ち着くように。そして楽になっていく力が蓄えられるように。
と願います。
それにしても、鍼にしても整体にしてもこの疾患で苦しんでおられる方に効果的かもしれないな、と思ったのでご報告しておきます。
あと最近の自分の治療スタイルとして、身体各部のつながりを取り戻すのを目的に、うつぶせに寝てもらってかかとや、足根骨に手を当て、呼吸の波を捉える、というやりかたを多くの方にしています。
手を当て呼吸の波を捉えてしばらくすると足のむくみがとれたり、ハムストや股関節の緊張がとれますし、骨盤の動きも出てくるのでよくわかります。
いろんなところからアプローチするのですが、最近は踵がわかりやすく、はまっています。
Posted by そうや晶 at 00:02│Comments(0)
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