私がイメージを伝え、友人に描いてもらった手の陽明大腸経の経絡経穴図です。
ちょっと修正前のもの(^_^;)ほんとは人差し指の指先まで光ってないとなんだけど…
こちらには合谷のツボ一穴しか載せていませんが、実際は20穴あります。
上に、象形文字で手陽明、と書いてあります。
経絡経穴図、って色々あって、特に十四経発揮の経絡経穴図が有名なんですが、だいたいは…
男性、おじさん、、なかんじ。
なんかね、
女性で経絡経穴図欲しいな、って。
男性と女性の体って、骨格からして随分違いますからねえ。
男性で作っている意味はあり、大切だと思うんだけど、やっぱり自分の体で経脈を身近に感じたい、と思ったときに、女性の体にラインと点がのってる絵が欲しいな、と。
東洋医学って重ねていくんですよね。いろんな人がいろんな理論を考えていて、時代により主流が変わって。西洋医学だと、これが!今のところ!一番正しいかんじ!ってなるんだけど、東洋医学ってば重ねていって。。そいで例えば一つの球があるとして、それをあらゆる角度から切り取って。中からも外からも。それはもう無限にあるわけで。
その中で時代時代に主流になった切り取り方というのはその時代のムード、国家のあり方社会のあり方を反映させていて。
みんな違ってみんないい。通用すればいいんじゃね?今。ここで。効けば。
みたいになってて。
だから一口に鍼灸、といっても、も〜ういろんなやり方が。そのバックボーン含めていろ〜んなスタイルがあって。
と、いう中で、なるべく、原点に近い図を考えたい、と思って私がイメージしたのがこれになります。
一つには
合谷は歯痛に効く
と、2500年前くらいに書かれた現存する最古の医学書の記述。
もひとつは、
手陽明という象形文字が現す世界を、絵にしてもらいました。
太陽の陽に明るい、と書くわけですが、こう見ると燦々と輝く太陽かと思いますが違うんですね。
明、という象形文字のイメージは、太陽と月ではなく、暗い夜、小窓に差し込む月明かり。
のイメージなんだそうです。
(白川静さんの解説より)
そうして陽も。
光そのもの、というのは、自身が光そのものであればそれと対になる闇は見えない。
光だけの世界ですから。
なんの形も色もない。ただ全てが光だけ。
なので、
陽という漢字が象形するイメージというのも、光=玉(ぎょく)を戴く、光=玉にひれ伏す、みたいなイメージ。
それを合わせて、闇の中で光=玉に向かう意志を、人の象徴としての少女に持たせてみました。
だけど、いのちはそれ自体発光してるので。丹田を中心に。それも織り込んで。
人差し指から合谷のツボ、そして肘関節から肩関節前の方、鎖骨の上を通って胸鎖乳突筋前面から顔へ。
この手陽明と名付けられたルートが、確かに繋がっていると、日々の臨床の中で確認していっている私たち鍼灸師です。
人差し指は私たちが向かう方向であり人間の意志の向かう方。
光へ。
宇宙の核心へいのちの核心に向かいたいという私たち誰もが持っている共通の思い。
わたし1人の生を超えたい、という言い方もできるかもしれません。
宮沢賢治の「よだかの星」という本を、子どもたちが通っている小学校でよく読み聞かせさせてもらっているのですが、よだかという鳥が、星になりたいと願い東西南北の星々にお願いするシーンがあります。
その中である星に、
お前ごときが星になりたいだなんて畏れ多い。
お前がここにたどり着くには100年兆年億兆年だ!って一喝される場面があるんですね。
こないだドキッとしました。
私たちはほんとにちっぽけで。100年弱しか生きれない上に、先の見通しもほぼ10年以上はできないんじゃないかと思うくらい。
だけど、その、人差し指がどこかを指し示す。
そこへ向かうベクトルが生じる、
時空を超えて。
経絡経穴図って。。
ほんとに奥深いです