鍼のひびきあれこれ

そうや晶

2014年09月13日 00:13



鍼をしているとき患者さんがどのように感じるか・・・

はじめての方はだいたい

「何してるか全くわからなかったけど時々チクッとしました」

とか言われます。

だけどいろいろおもしろいことを言われる患者さんがけっこういらっしゃって。

またちょっと印象深い話がたまりましたので書こうと思います

今日来られたTさん。

首に鍼をしていると、

「なんか鍼するとぷすっと穴が開いてそこからシューって悪いものが出てるかんじがするんですよねえ~」

と。。。

「ここでしか得られない感覚~気持ちいい~~」

と言われて。

鍼をすると響きながらゆるむわけで、その感覚をそのように感じられていたとは!なかなかするどい方だなあ~、と思いました。

この方は皮膚のきめが細かくてとってもツボの見えやすい方です。

 その話を聞いて思い出すのは断食療法の甲田先生のお弟子さんで大阪で鍼灸院をされてる森先生。

以前沖縄の鍼の勉強会に来られていて、実技で教えてもらってるとき、

「今邪気が出ていってま~す」(天然な方なので。。。)

って言われた時、森先生が鍼しているところからシュッと竜巻みたいなものがくるくるっと回るのが見えたんですよね。

先生に伝えると、「そうそう、それだよ~~」って・・・

そういうことって、あります。

感覚の鋭敏な人と一緒にいるとその感覚が移る、というか、自分の中の無意識領域の何かを刺激するんでしょうねえ。

森先生はそうやって目で邪気が出ていくのが見えるみたいだけど、私の場合は触覚が主になります。

主に振動を感じていて、それは一種類ではなく様々で。

それにともなってふわっと湯気のようなものが見えることもあります。

なんか微量なエネルギーの流れを感じていてそれがまあ熱と反応して蒸発してる??うむむ・・・そんなかんじでして。

他にも。。。

足の太衝(足の厥陰肝経)というツボに当てる鍼をしているときに

「ここに鍼されると何故か心臓に血液がどーっと入ってくる感覚がするんですよねえ」

と最近仰る方がいて。

(ふむふむ、なるほど~)

と心と肝の関係性について思い当たる節があり、勉強させてもらいました。


そんなふうに、響きの流れについて一か所に鍼することでこんなふうに流れてきたよ、と説明してくださる方もけっこういらっしゃいます。

「ここに鍼してこんなふうに流れた」とか「ここに鍼して(別の場所の)○○がゆるんだ」とか。。。


今日は他にも感覚のツワモノ患者さんがいらっしゃってて、

「おへそを触られているとエレベーターでどんどん深いところに降りていく感じがする」とか、「なんか色が見えてきました」とか「先生今どんだけおっきい鍼したんですか?500円玉くらいの鍼された感じがするんですけど」(実際は髪の毛ほどの細い鍼を7ミリくらい入れたかな、というかんじ)とか「今日はずっとぶつぶつが見えてます」とか。。

語録ができそうなことを毎回伝えてくださる方も。
それにしても治療中に色が見えたり白昼夢というのか映像が見えたりする方って案外いらっしゃるんですよね。お話聞いてるとおもしろいです。
かなりストーリー性の高い物語を仰る方なんかいて、
思わず心の中で
(どこまで行ってたんや、おい!)
なんて突っ込み入れたくなる場合もあったり。


またまたそういえば、学生時代の勉強会で台になり、東北で農業しながら鍼されてる先生だったと思うんですが、でっかい金の当てる鍼を胸肋関節におかれてると、その響きが足に行ってから背中に回って肩甲骨の内側まで流れたんですね。

私がそれを感じているのはいいんですが、その先生もまるで見えてるみたいに「今ここ流れてるね」「おっ、とうとう背中までいったね」とか言われたのには驚きました。

そういうのって術者がわかるんだな~~って。

私はまだまだ気が通ったかどうかなんとかわかるようになってきているレベルで、そんなに細かいところまではわからない状態です。

感覚世界もものすごい拡がりがあり、たった一本の鍼が、多彩な感覚を引き起こすというのはおもしろいものです。

そしてまたそのようにフィードバックしていただくことでとっても勉強になり、ありがたく思っています

写真は全く関係ない、夕方の海でタコのように泳いでいる三才長女です

関連記事